ゲッカはビャクヤをしげしげと眺め、小首をかしげてむむぅ~と唸ってみせた。
お姫様抱っこなど初めての経験だが・・・この鎧、中に腕が入っているようなしっかりしたものじゃなさそうだ。おそらく、光の力によって”浮いている”。
無視してこの場から離脱しようとする私達にトンファーをブンブン振り回して構える彼女を、ビャクヤはひと睨み。
にまぁっと嫌味ったらしく笑って挑発してくるコイツの度胸はさすが。私に恐怖を植え付けていくほどの猛者らしい振る舞いだ。

「なっなんですかそれぇ! 絶対にここでやっつけてあげます!」

カチャカチャ。―――キィン!!
「とぉりゃー!!」
「!? おわっ」
どうやら、森の中に入ったみたいだ。

「お前速すぎじゃねぇ!?」
「うるさーい。舌噛むぞ~」
「まてぇーい!」

うわ、まだ追ってくる。
「で、どうすんだ?」
「ま、見てなさい。」
「ちょこまかと~! このっ!」
・・・・・・なるほどな。

ビャクヤが地面に着地してくるんとゲッカの方向へ向き直ると、

「あぁもう降参。あなたしつこすぎぃ」

と三文芝居をしてみせ、

「にょはははは! 諦めたか悪党めぇ!」

それを真に受けたお馬鹿さんがビャクヤの前に着t―――


―――ズボッ。


ビャクヤが用意したのであろう落とし穴へと消えていった。

「20mくらいは掘ったからね。当分あがってこれないでしょ。」
「・・・お前何落とすつもりだったんだよ。」
「キョクヤに決まってんじゃん。」
「殺すぞ。」
「よっこらせ。ここならとりあえず休めるでしょ。」
「・・・あー・・・ありがとな。正直助かったよ。」
「へへへ。今日は私がいてラッキーだったね。」
その鎧の腕の一部を私の右腕にあてがい、手にした包帯でくるくると巻く姿は、ヤケに手馴れているように見えた。
話している間に、即席のギプスが完成。しっかり固定できているみたいだ。
「弱ったなぁ・・・あんなに頭のおかしいヤツが、痩せ犬の側にいるんじゃ・・・ろくに右腕動かねぇし・・・一度出直すか?」
「そうだねぇ。鎧も今ので当分使えないし、勝ち目は万に一つもなさそうだし。」
「あぁそうなのか。そら残念。抱えて帰ってもらえないなら歩くしかねぇか・・・そんじゃ一眠りしとこうか。」
「寝よ寝よ~」
そしてお構いもなく彼女はそこに頭を置き、ごそごそとこちらに顔を向ける。
子どもみたいなナリをしているが、一応こいつも成人しているらしい。あどけなさの残る笑みからは想像しづらくもある。
そっと耳元で、
そんな囁きに強い決意を感じながら、私の意識は遠のいていった。










―――ガサガサッ
右腕を庇いながら立ち上がる。

・・・ゲッカが追いかけてきたのだろうか? 野犬か山賊か? 

入口付近の壁を背に様子を伺う。・・・今襲撃されると打つ手がない。右腕は固定されている上に、光の剣を抜き出して振るほど力を留めておけないだろう。

・・・・・・いや、一つだけ方法があるのか。

ジッと左手を睨みつけた。私はいつも両腕にロンググローブをしているわけだが、その秘密が左腕にあることは、皆もお気づきの通りだ。

・・・死線をくぐる際にはやむを得ず使うこともあるが。。。

。とにかく、何者かが近づいてきているなら、手段として頭に置いておかねば。・・・今はひとりじゃないしな。

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あぁ、あの時以来私はこんな笑い方をしたことがなかったな。・・・いつの間にか、こいつに情がうつったのかもしれない。

ビャクヤが気づく前に済ませるか。

気合い十分で左腕をぐるぐると回して山小屋を出ると、

―――ガサガサガサガサッ!!!

一際大きな草の音がする方向に目を走らせた。
木々をかき分けながら走り抜けると、あっという間にその影を捉えることに成功した私は、渾身の蹴りを―――

「わぁっ!?」

あっ。
「おっおいボウズ!大丈夫か? 追っ手かと思ってさぁ~」
「いっててて・・・うん。おっお姉ちゃんは誰?」
「私か? 私はキョクヤ。一応プリキュアだ。あのゲースヘドデルを懲らしめにきたんだ。」
「えっ? お姉ちゃんプリキュア様なの? 凄いね!でも、あの」
「ユウ! あんたここにいたの? 光を浴びるなら家の庭でしなさいって言って・・・!!」

割って入ってきたのは・・・? !!?

「なんで魔族の姉ちゃんがコイツに?・・・まさか、煮て食うつもりか?」
「・・・あのね。いくらなんでもそんなことするわけないでしょ?」
「そっそうだよお姉ちゃん! パンチさんはそんな悪い人じゃないよ!」
「ほぅ。随分と調教が行き届いているみたいだな。どんな甘い誘惑でコイツをたぶらかしたのか知らないが、コイツは連れて帰らせてもらうぞ。」

パンチと呼ばれた狐の半獣人は、ふぅっと溜息を吐き。

「まぁ、その子の為にはその方がいいかもね。私達と一緒にいても・・・」
「嫌だ。僕は光族のいる場所なんか行きたくない。」
「、だそうだけどどうする? プリキュアさん?私を斬る?」
「ボウズ、あのさぁ。コイツらは村の人間全員殺して、自分たちの棲家にするような連中だぞ?庇い立てする義理なんざ・・・」
「ちっ違うもん! この人たちは僕らを逃がしてくれたんだ! あのゲースさんは争いごとが嫌いだから、皆殺しにしたって嘘ついて・・・」
「、それじゃあお前はなんでこんなところにいるんだ? 大きくなったら喰われるかもしれねぇぞ?」

・・・迫害、か。

「生まれで差がつく世の中はクソくらえだとは思ってるよ。なるほどな・・・わかった。」
・・・そうだ。私もこういう可能性があることを失念していた。魔族の中にも、今の王の政策に異を唱える連中がいて、密かに抵抗していると。
ガァン!!!

咄嗟に左腕で迫り来るトンファーを受け止めた。

私の身体が魔族を救う日がくるとは・・・思いもよらなかった。
ゲッカは怪訝そうに私の顔を見て首をかしげた。
あぁ、私もちっとばかし腹が立ったぜ。
すこしは馬鹿に灸を据えてやらねぇとなぁ!!

「全呪詛解放。猛ろ!我が左腕よ!!」

ロンググローブが光を伴って霧散し、その”呪われた腕”が顕になった。
さて・・・理性が飛ぶ前に終わらせてやる。

地面を蹴って背後に回り込み、拳を叩き込む。

「っ!?」
この左腕は私のものではない。とある魔族から譲り受けた”魔腕”だ。故に、太陽のように激しい光を放つ私の剣を、この腕で使うことはできないのだ。
「・・・遅せぇな。もっとホンキで・・・コイヨ」
「わわっ! マジヤバ!!」

わたわたと慌てて立ち去ろ・・・ノガスカ・・・

敵を背にしたモノに慈悲などない。

「ごふっ!!!」

ヤツの頭を掴み、地面に叩きつける。

背中を踏みつけ・・・腕に力をこめ・・・

「!? がぁっ・・・あぁああああああ!!!!」
「っふふふふ・・・あぁ・・・もうすぐ死ぬなぁ。死んじゃうなぁ・・・ふふふっ・・・あはははははは!!」

このまま頭をもいでやろう。さぞ美味しいスープにできるぞ。

―――「キョクヤ!」







私はそれ以降の記憶がなくなってしまっていた。









ハッと目を覚ますと、私は自宅のベットで横になっていた。
窓から射す太陽の光が懐かしくも思えるほど・・・深い夢を見ていたような気がする。

「お、おめざめですか化物様。」
「・・・あぁ、いい気分だよ」

長いストレートの黒髪を揺らす少女は、屈託のない笑顔で答えてくれた。・・・右腕のギブスも、あれが夢ではないことを物語ってくれている。
「あ~ぁ。やっちまった。私はどれだけ殺した? ビャクヤも巻き添えか?」
「いいえ?だ~れも殺してませんよ。ビャクヤちゃんの顔見たら、気絶しちゃいました。」
「ほぅ。そりゃ珍しいこともあるもんだ。大抵アレを使ったら、皆殺しにするまで止まらなくなるのにな。」
「物騒なものつけてますね。私も首がミシミシ言って本当に怖かったんですからねぇ!」
「キョクヤ!起きたの! もう昼だよ?飯作って飯!」
「ビャクヤちゃんに事情を聞きました。この度はとんだご無礼を・・・。」
「まぁ、分かればいいよ。・・・それで? お前は異世界から来たんじゃなかったか? だったら、自分のいた世界に帰ればいいんじゃないか?」

律儀に頭を垂れた己花はガバッと背筋を伸ばすと、


地団駄を踏んで悔しがる様は笑えるからもっとしていてほしい。

「再び光族の皆様が表を堂々と歩き、魔族の皆様と手を携えて生きられるような世の中になるまで、私も力を尽くして励む所存です!」
「おぉ~そいつは素晴らしい心意気だな。それじゃ、リストにある王族狩りを一任してもいいか?」
「わかりました!さっそく準備をっ!!」
「ちょっとまてバカ野郎!!」
「今から行こうとするアホがどこにいる? 少し落ち着いたらどうだ?」
「え~?でもでもぉ。私今暇だしぃ~王族の一人や二人ちょちょいのちょーいって・・・」
「ふぅ・・・私じゃ手に負えんな。こりゃ・・・。うし。お前も一応プリキュアだし、ユニコーンの所で働けるようにしといてやるか。」
「ユニコーンって、あのカッコイイお姉さんですかぁ!? うわぁ~♪ 楽しみですぅ~!!」
「キョクヤぁ~めし作れよぅ~死んじゃうぅ~」
「痛っててててて!!! 腕うで~!!」
「めしくわせろぉ~雇い主の命令だぞぅ~」



あ~あ。


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・・・・本当にメンドくさい。













つづく。
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